東京都日野市
日野市(ひのし)は、東京都の多摩地域南部にある市である。
概要
かつては「日野宿」が設置されており、甲州街道の農業を中心とした宿場町として繁栄していた。新選組の副長として活躍した土方歳三や六番組隊長の井上源三郎の出身地。また市内最大の大企業である国内トラック・バス業界最大手日野自動車の企業城下町でもある。
昭和に入ってからは大規模企業や大規模団地が進出しているものの、河川や丘陵地が多く、国土交通省より「水の郷百選」に認定されるなど自然も多い。また、多摩地区としては水田や野菜畑などの農地が占める割合が高く、都市農業の代表的な都市として紹介されることが多い。
平成22年国勢調査によれば、東京都特別区部への通勤率は20.9%、八王子市への通勤率は12.0%である。
歴史
慶長10年(1605年) 甲州街道が整備され、日野宿定まる。
明治4年(1871年) 廃藩置県に伴い日野宿、神奈川県に編入。
1878年(明治11年) 多摩郡が分割され日野宿は南多摩郡に属す。初代郡長に日野宿の佐藤俊正(佐藤彦五郎が改名)が任命される。
1889年(明治22年) 町村制施行に伴い、日野宿の全域と粟巣村、西長沼村の一部(それぞれ残部は桑田村、由井村に編入)が合併し、日野宿が名称をそのままに自治体として発足。
1893年(明治26年) 三多摩が神奈川県から東京府に編入。日野宿を日野町(初代)と改称。
1901年(明治34年) 桑田村と合併し、改めて日野町(2代目)を新設。
1943年(昭和18年) 東京都制施行。
1958年(昭和33年) 七生村と合併し、改めて日野町(3代目)を新設。現在の市域となる。
1963年(昭和38年) 市制施行(11月3日/全国559番目)
1993年(平成5年) 7月8日、防災行政無線運用開始。
2015年(平成27年) 4月1日、防災行政無線放送等変更。
「日野宿」も参照
市名の由来
市名の由来は諸説あるがはっきりしていない。『武蔵名勝図会』によれば、府中にあった国府の烽火台が置かれたことによるという「飛火野説」をとっている。和銅6年火野を日野に改めたという。また、『新編武蔵風土記稿』によれば、武蔵七党のうち西党の祖日奉宗頼が、遠祖天御中主神を勧請して日野宮権現を祀ったという伝説に基づくという。他の説として、応永32年ころ、日野中納言資朝の玄孫、宮内資忠なるものが、当所に移住して土淵ノ庄をはじめて日野と号したという説も載せている[2]。