東京都両国駅
両国駅(りょうごくえき)は、東京都墨田区横網一丁目にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)・東京都交通局(都営地下鉄)の駅である。墨田区最西端の駅。
大相撲の興行施設である両国国技館(上の写真の緑の屋根の建物)が駅の近くにあるほか、江戸時代には勧進相撲が執り行われた両国回向院が駅の南側にあり、相撲部屋や力士サイズの服を取り扱う洋品店などがあるなど相撲の街として全国に知られている。1909年竣工の旧・両国国技館[注釈 5]は回向院の境内にあったが、第二次大戦後の蔵前国技館使用期を挟んで、1985年に竣工した現・両国国技館は駅の北側に位置している。
駅北側には、国技館に隣接して東京都江戸東京博物館がある(江戸東京博物館にはJR駅より都営地下鉄駅の方が近い)。前述の通り、かつては貨物駅があり、総武快速線建設に伴い貨物駅が閉鎖された後には国鉄バスの東京自動車営業所(後のジェイアールバス関東東京支店)があったが、現在は江東区塩浜の越中島貨物駅周辺に移転し、その跡地に両国国技館が建設されている。
国技館の北隣には旧安田庭園および刀剣博物館がある。庭園の西側には隅田川が流れ、川岸に首都高速6号向島線の高架が建設されている。同高速はほぼ南北に伸び、JR駅の西側で総武線の上を通る。
旧安田庭園の東側、江戸東京博物館の北側には2004年にNTTドコモ墨田ビルという超高層ビルが竣工した。ここには「NTTドコモ歴史展示スクエア」というショールームがあり、過去のNTTドコモなどの携帯電話端末などを一堂に見ることができる。
旧安田庭園の北東側、NTTドコモ墨田ビルの北側、清澄通りと蔵前橋通りに面した角の一角には都立横網町公園がある。ここには関東大震災で多数の犠牲者を出した陸軍本所被服廠跡地で(震災当時は既に「跡地」であった)、都立公園の中でも慰霊を目的とした特異な存在である。敷地内には震災犠牲者や東京大空襲犠牲者などを祀る東京都慰霊堂や震災復興記念館、東京空襲犠牲者追悼碑などが建てられており、毎年3月10日(東京大空襲忌日)と9月1日(関東大震災忌日)には慰霊法要が営まれる。この横網町公園へはJR駅より都営地下鉄の駅の方が近い。
JR東口から南に向かって京葉道路(国道14号)を越え、さらに南に少々入った辺りに本所松坂町公園(吉良上野介の屋敷跡・忠臣蔵の討ち入りの舞台)がある。さらにその近くの両国公園には「勝海舟生誕の地」碑がある他、附近には江戸から明治期の著名人の足跡(芥川龍之介生育の地など)が数多くある。また、駅南東側一帯は池波正太郎の小説「鬼平犯科帳」の主要な舞台になったことでも知られている。
JR西口から南側に向かうと、京葉道路との交点(両国二丁目交差点)の南側に再開発地域の複合ビル「両国シティコア」があり、内部に劇場「シアターΧ」(シアターカイ)が運営されている。旧・両国国技館はここに位置していた。シティコアの南側に両国回向院があり、そこからさらに南に進むと竪川と首都高速7号小松川線の高架橋が東西方向へ伸びる。同高速は隅田川岸に作られた両国ジャンクションで6号向島線から分離しているが、当駅近辺には両路線とも出入口は設置されていない。